あわいを往く者

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WEB小説リンク集

魔女の愛弟子

 
生まれる前から魔女になる契約を負った「わたし」は、13歳のある日、師匠トラメにもらい受けられる。強大なトラメ石の力を持つ師は「わたし」の魔女の資質を見抜き、黒曜石の力を授けた。無数の依頼の中から契約が成立する可能性のあるものを選びとり、師の元に運ぶのが「わたし」の仕事となる。
幾年もたったある日、師は唐突に妖しく輝くオパールの魔女に連れ去られる。そこにも抗えない契約があることに気づいた「わたし」は師を取り戻すための旅を始めた。
(サイトの紹介文より)
 
 師である西の大魔女を追って旅に出た、「愛弟子」ルンペルシュティルツヒェン、通称ペル。名に縛られ、役目に縛られ、一心に師を追い求めるばかりのペルが、色んな人々の「依頼」に触れるうちに、少しずつ人の想いを、そして自分の想いを知ってゆく。そのたどたどしい足取りを、応援せずにはいられません。
 旅の道連れとなった東の大魔女ゴルテンとの、どこか危なっかしいやりとりにも、目を引き付けられました。
 貴石のちからを持つ「魔女」、愛弟子の元に届けられる「依頼」、読み取られる運命の縮図、道を踏み外した「闇」、そして、「世界」の秘密。幻想的な物語に加えて、肌で感じるがごとき魔法の描写がたまりません。人々の生活感あふれる町々の様子も読み応えたっぷり。
 ウイスキーの薫り漂う、大人のための童話です。

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女神の柩

Windy Hill
  • 作者:風羽洸海 様
  • 掲載サイト:(現在WEB非公開。作者様のサイトに詳細有り)
 
心にうつろを持つ官吏ミオは、帝国の西北果てで伝説の虎狼族と出会う。
人生に虚しさを抱えた官吏シンは、辺境の砦から馬賊の若者に拉致される。
それぞれが知らされたのは、忘れ去られた歴史。そして再び、いにしえの魔術と女神の伝説が語られる。
(サイトの紹介文より)
 
 壮絶な時を紡ぐハイファンタジー。一話の前書きに「ハッピーエンドにはなりません」とあるとおり、読み進めるほどに、もどかしさと、やりきれなさと、悲しみに、胸をかきむしらんばかりになります。
 ですが、結末が幸せか否か、というのは、あくまでも登場人物の物差しで判断してのこと。そして、この話はそういうスケールで見るべき物語ではありません。言うなれば、「世界に呑み込まれる」醍醐味を味わう物語。彩詠術を始めとする独特の世界観も素敵でね、本当に、これぞファンタジー、って感じがたまんなくてね!
 静かに積み上げられた全てが一気に崩れ落ちるクライマックスには、涙腺決壊と同時に鳥肌が立ちました。ああもう、ヤラレタ。見事に心を持っていかれました。

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みなぎる豆腐小僧

階
  • 作者:ろく 様
  • 掲載サイト:
 
扇屋の前にネオ豆腐小僧が現れた(サイトの紹介文より)
 
 堅実に、そしてリズミカルに綴られた文章には、全く隙がありません。そんな端整な文体で書かれた、渾身のアホ話(褒め言葉)です。これぞ究極のギャップ萌え。ストイックにふざけてみせる絶妙なさじ加減が、とっても心地よいです。
 読んでいて、本気で声を出して笑ってしまいました。もう、最高。大好き。
(サイトトップから、NOVEL→短編→和風 に掲載されています。同じシリーズに「垢舐めが自重しない」と「ろくろ首が荒ぶっている」があり、どれもとっても面白いですv)

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