あわいを往く者

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WEB小説リンク集

六條院の娘たち

 
本人の意向そっちのけで、年頃になると父の野心の道具となって、父が決めた『家』に嫁がされる娘たち。とはいえ、父の言いなりにはなっても大人しくわが身の不幸に甘んじているようなしおらしい性格をしている娘はひとりもいなかった。
結婚は父の都合、幸せになるのは自分の勝手♪ 産みの母親と性格の違う娘たちのそれぞれの恋模様。
(サイトの紹介文より)
 
 舞台は、1970年代の日本。「成り上がりの大金持ち」六条家の娘達に持ちかけられる、家同士の縁組の中で、自らの幸せを模索する彼女達の物語……なんて、通り一遍の説明では、このシリーズの魅力は語りきれません。
 我が身に降りかかる困難を、その芯の強さで乗り越えていく六条家のお嬢さん達が素敵なのは勿論のことですが、何より、彼女達の父親、六条源一郎という存在が、とてもいい味を出しているんです。彼の行き過ぎた親馬鹿が引き起こす騒動が、この物語の要だと言っても過言ではありません。
 焦れ焦れしたりほのぼのしたりする恋物語の間に差し挟まれる、企業経営にまつわる話もとっても面白いですv

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ライジング!

Arlequin
  • 作者:御堂志生 様
  • 掲載サイト:Arlequin R18
 
「富士には女神がいる」山岳警察には10年前からそんな噂があった。
女神の名は沖眞理子、階級は警部、富士山岳警備隊の隊長である。だが、彼女に纏わる噂は様々で、むしろ悪い噂のほうが多い。
表に立ちたがらない隊長に代わり、対外的な役目を果たす副隊長の南一之警部補。
問題を起こし富士に転属になったばかりの水原 健巡査部長。
総勢11名の隊員と、彼らを取り巻く人々のお話。
(サイトの紹介文より)
 
 架空の山岳警察を題材とした物語です。「本作は“なんちゃってレスキュー物語”です」との但し書きがありますが、現実には無いものを描く、ということこそが小説の醍醐味ではないでしょうか。個々の描写もその積み重ね方もとてもしっかりとしていて、安心して物語を楽しむことができました。
 緊迫したレスキューシーンは勿論、きめ細かな人間ドラマも読み応えたっぷり。そして、強くてカッコイイ沖隊長! 素敵! ピンと背筋を伸ばした生きざまとか、マジ惚れる。
 富士山は何度か登ったことがありますが、今度行く時には、彼らのことを色々妄想してしまいそうですv

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〈ローズ〉の末裔

CloudCollector'sVector (2CV)  
 田舎で植物を育てている変人のフィン。彼は送りつけられてくる設計図と材料を元に、とある機械を完成させた。
 その彼の元にやってきたのは設計図を送りつけてきた人物・アグリ。彼女は〈案内人〉であるフィンの相棒であり〈審判者〉の一人だった。
 そのアグリを追ってきたグスタフ。彼はある決意の元に行動していた。
 太陽を遮る〈ローズ〉の下、それぞれの「夜」があふれ出す。
(サイトの紹介文より)
 
 とにかく、冒頭の幻想的な風景に、ガツンと衝撃をくらいました。氷の大地、朱に染まる地平線、蒼黒い空に黒い雲、そして〈ローズ〉。ああ、これぞセンス・オブ・ワンダー!
 〈案内人〉とは、〈審判者〉とは何者か。読みやすい文章と息をつかせぬ展開に心を奪われ、一気に読み通してしまいました。夜の世界をゆく人々の生きざまに、思うさま胸の奥を揺さぶられます。

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輪廻の花

Cheerful!
  • 作者:日向そら 様
  • 掲載サイト:Cheerful! R18
  • 備考:一部性描写あり
 
突然目の前に現れた、式神多々羅。
「嫁に貰う約束だった」と言い張る多々羅に困惑する環。
前世と現世の因縁とは……?
(サイトの紹介文より)
 
 現代舞台の伝奇物です。大鏡神社の一人娘である高校生の環が、ふとした事で解いてしまった封印。現れた式神・多々羅とともに、彼女は破邪の剣を手に、心の弱い人間を蝕むという瘴気を祓う使命を背負う事になるのです。
 迷いながらも困難に真っ向から立ち向かう彼らのひたむきな眼差しと、軽妙な語り口が、重苦しくなりがちなテーマをどんどん読ませてくれます。
 絡み合った伏線が、すうっと一本にまとまっていくさまは、爽快の一言。
 個人的に、シリアスなシーンでも下心を忘れない多々羅が大好きですv

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