あわいを往く者

  [?]

撞着する積木

主な加筆内容

電子出版に際してどのような加筆が行われたか、プロトタイプ版(旧来のサイト版)を既読の方向けに、主な内容を以下に記します。
 
主な加筆内容
 
 最終話の改稿にあたって、クライマックスの構成をかなり大胆に変えてしまったのですが、その過程で、これまでこの物語に漠然と抱いていた違和感の原因に気づくことができました。
 ああ、私は彼に、この一言を言わせたかったんだ、と、納得するのと同時に、旧来版がいかに不完全なものだったのか思い知りました。
 続編である「相対する積木」シリーズを書いていて、どうしても拭いきれなかった「撞着」との齟齬も、これで見事に解決です。何となく肌で感じているだけだった「答え」が、ここにきてようやく明確な輪郭を得ることができたのです。
  
 旧来版を書き上げた時は、これで完成した、と思っていたのですけどね。当時はあれで最善を尽くしたつもりだったんです。あれから五年の月日を経て、「撞着する積木」はようやく本当の姿になれたのだと思います。
  
 ちなみに、今回の加筆改稿で、ざっと27,000字削除して、45,000字新たに書き下ろしました。
 それ以外にも、全編を通じて時系列や視点をきっちり整理、書き直しました。
「プロトタイプ版が無料で公開されてるけど、でも電子書籍版は値段分の価値があった」
 そう言ってもらえるなら、作者としてこれ以上の喜びはありません。