The one who treads through the void

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DUSK IN BLACK 後書き

 
 そもそもの始まりは、DIGクリエイティブアワード2012でした。
 当初は、締め切りまでに新作を書く自信がなかったことから、この賞への応募を諦めたのですが、過去に公開済みの作品(商業出版は除く)でもOKだと知り、既存作の中で一番派手で比較的キャッチーと思われるこの「黒/の/黄/昏」で応募することにしたのです。
 何か月もかかって一般向けに改稿し、無事応募。審査が終わったら(入賞しなかったら)、サイトの全年齢向け倉庫で公開しよう、と、わくわくしながら審査結果が出るのを待っていたら……待っていたら……、不測の事態が起こり、R18ものをサイトの表側から撤去しなければならなくなってしまった、というわけです。
 そういうわけで、全年齢向け倉庫をサイト本館に統合、サイトをR15とし、それ以上のレイティングのものは裏へ隔離。それに合わせて「黒/の/黄/昏」の改稿版を表に出し、「完全版」を「R旧来版」としてサイト裏でひっそりと公開し続けることにいたしました。
 これまでの「完全版」をご贔屓にしてくださった方々には、ご不便をかけてしまいますが、どうかご了承ください。
  
 この「R旧来版」は、R18ではありますが、初稿に比べて濡れ場が随分減ってしまっております。
 なんだよ、改稿するたびに縮小する一方なのかよ。とお思いの方。悪いことばかりではありませんぞ。
  
 初稿完結時に「後日譚は書かない」と断言しておりましたが、これは、あの稚拙な構成のまま続きを書くと、下手すれば物語世界が崩壊しかねないと思ったからなのでした。
 三年前の改稿で、それら問題点をあらかた整理することができました。
 唯一心にひっかかっていた、某人物像とその行動との間に生じた齟齬も、今回の改稿で修正することができ、これで、安心して後日譚を書くことができそうです。
  勿論……R18ネタでも……v
  
 甚だマイペースな作者で恐縮ですが、どうぞこれからもよろしくお願いいたします。
  
  
2013/1/24 GB 拝
三年前の改稿連載終了時の後書きは、以下に。

改稿を終えて

 
 初稿完結後二年半経って、とうとうやってしまいました。大改稿を。
 やる、と決めたからには徹底的に見直そう、と、一旦頭を白紙に戻して、必要なパーツを一からじっくりと組みなおしました。そのため、第一部に至っては印象がかなり変わってしまったことと思います。旧稿を気に入ってくださっていた方には申し訳ないのですが、作者の我が侭をお許しください。
  
 そもそも、旧稿連載の時点で前半と後半とで物語の雰囲気や方向性が変わってしまっていたのは周知のとおりで、そのギャップをどうにかしたいなあ、と連載中からずっと考えていたんです。三年の月日を経て、ようやく本懐を遂げることができました。お付き合いくださった方には、感謝の言葉もありません。本当にありがとうございました!
  
 それにしても。
 新たにエピソードを幾つも追加して、伏線も整理して、そうやって構成の根元に手を入れていくにつれ、登場人物の行動に説明不足な部分や矛盾がある部分が次から次へと炙り出されてきまして、何度悶絶したかしれません。どれだけ行き当たりばったりで書いていたんだ、自分……。
 文章そのものについても、視点がふらふらと迷走しているところが沢山見つかったし。あと、体言止めの濫用とか。その場のノリで書き散らした感がひしひしと伝わってくる文章に頭を抱えつつ、でも、この勢いは今の自分では出せないなあ、と懐かしく思ったり……。
 そんなこんなで改稿に着手して八ヶ月、たっぷりと過去の自分と向き合うことができました。もう当分はお腹一杯です(笑
  
 今回の改稿にあたって、温かいお言葉を沢山いただきました。一度公に発表したものに手を入れるという行為について、往生際が悪い、と自分でも思いましたが、作者として納得のいくものを公開したい、という欲求には勝てませんでした。それを受け入れてくださった方々の存在に、どれだけ勇気づけられたことか。心から感謝いたします。
  
 今度は新作でお目にかかれればいいな、と思っています。
  
  
2010/7/20 GB 拝
せっかくなので、初稿の連載終了時の後書きも、下に残しておきます。
テンションの高さから、あの当時の達成感がひしひしと感じられます(笑

連載を終えて

 やったー! 終わったー!
  
 とにかく、初の長編、初の18禁。途中どうなることかと何度も心配しましたが、なんとか終わりまでこぎつけることができました。これもひとえに、読んでくださった皆様のお蔭です。ありがとうございましたー!
  
 最初は、「自分好みの18禁小説が読みたい」という、身も蓋もない動機でスタートした物語でした……(苦笑
 ええ、その当時、まだネットに慣れてなかった私は、好みなお話を上手く見つけることができず、究極の必殺技「自給自足」を選択したのです。……ああっ、石を投げないでくださいっ。
  
 それが、書いているうちに段々と欲が出てきまして。また、読んでくださって、応援までしてくださる方が現れて、いつの間にやら、キャラは増えるわ物語はデカくなるわ。
 一応、大雑把な話の筋は最初に作ってあったのですが、ギャラリーを意識することが無ければ、ここまでキッチリと物語を作り上げることは無かったかもしれません。それこそ、自分が萌える場面だけを断片的に繋げて満足、みたいな感じで終わっていた可能性が大です。
  
 そう考えると、本当に読者の皆様に力を貰っての執筆だったんだなあ、と、ちょっと感動している真っ最中です、今。
 また、誤字脱字のご指摘や、ちょっとしたアドバイスなど、本当に色々とありがとうございました! 拍手のワンクリックは勿論、メッセージにも沢山勇気をいただきました。とても嬉しかったです!
 そして、素敵なイラストを描いてくださった方々にも、多大なる感謝を。執筆に行き詰まり転げまわって苦しんでいる時など、皆様の素晴らしい絵に何度癒されたことか。本当に私は果報者です~!
  
  
 ひとまず、シキ達のお話はこれでお終いです。
 ちょこちょこと番外編で遊ぶことがあるでしょうが、続編を書くことは無いと思います。はい、「黒/の/黄/昏」という物語は、これで閉幕です。
 登場人物達がこの先どのような人生を送るのか、それは読んでくださった皆様で自由に思い描いていただけたら、と思っています。
  
 なんだか、感激のあまりにつるつると筆が滑りまくって、長々しい後書きになってしまいました。いや、予想してましたけど。
 とにもかくにも、最後までお付き合いいただき、本当にありがとうございました!
  
  
  
2007/6/15 GB 拝