あわいを往く者

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相対する積木 ネクタイ

  
  
  
   ネクタイ
  
  
  
「ネクタイを嫌がるほど若くはないのでね」
 そう言って朗は口角を上げた。眼鏡の奥の瞳を束の間細め、右手を襟元にやる。「だが、ネクタイを絶対視するほど年寄りでもない」
 結び目にかけられた指が左右に振れ、ネクタイが緩められた。鷹揚に長椅子の背に身を預け、囁く。
「おいで、志紀」
  
  
  
〈 了 〉